点眼薬の使用する順番は?
使用順番について
・注意点
●2種類以上使用するときには間隔を5分間以上あける必要がある。
(薬剤によっては間隔を10分間以上あける薬剤もあるので、添付文書に記載があるので使用上の注意の確認する。)
●涙のpH(pH7.0中性)に近い点眼薬を先に使用する。
(pHが離れていると刺激を強く感じやすく、刺激により涙液の増加がおこり眼内移行性が低下するため)
●医師の指示がある場合には、医師の指示が最優先になるため聞き取りする。
【予備知識】
●点眼薬は1回1滴
点眼薬は、1滴30~50μLになっています。対して、結膜嚢に保持できる液体量は20~30μLです。
そのため2滴以上を点眼しても保持しきれずに溢れてしまいます。溢れた液体の拭き取りが十分に行えていないと液体が触れた眼の周囲で接触性皮膚炎が起こる原因になる。
※添付文書の用法用量が1回2滴以上点眼と記載されている薬剤もあるので確認が必要です。
●5mLの点眼薬1本で100滴使用可能
1滴30~50μLのため、5mLの点眼薬では5000μL÷50μL=100となるため理論上100滴出ることになります。
※高齢の患者では、上手くさせずに1回で2~3滴使用することも考えられます。
●目薬の使用期限
開封後は、1ヶ月が期限になります。中身が残っていても衛生上開封後1ヶ月経過したものは利用しないようにする。
清潔な状態を保つために、目尻や目頭に容器がつかないように十分注意する。
※OTCの場合には、開封後期限3ヶ月が廃棄の目安になっています。
●口腔内に感じる苦味や甘味に対する対策
点眼後すぐにまばたきをすると、早めに結膜嚢から鼻を通り口腔内で苦味などを感じやすくなります。
まぶたを1分間程度閉じて、まばたきをしないことで苦味などを感じにくくなります。その時に目頭を抑えておくとより苦味などを感じにくくなります。また、点眼後すぐにまばたきをすると結膜嚢からの薬の流出が早くなり、点眼薬の効果が落ちることもあります。
※術後などに目頭を押さえると傷口が開いてしまう可能性があるのでまぶたを閉じるだけにする。
●コンタクトレンズ装着時の点眼
点眼薬の多くには防腐剤が含まれています。防腐剤はソフトコンタクトレンズに吸着し、ソフトコンタクトレンズの劣化を早めてしまう可能性があります。
ソフトコンタクトレンズ使用時には点眼前に一度外す必要があります。再度装着する際には、点眼後5分以上間隔をあけてから装着する。
※ハードコンタクトレンズでは吸着の問題がないため外す必要はないですが、十分な効果が現れない可能性がありますので装着前に点眼することがおすすめされています。
●懸濁性点眼薬は立てて保管
横向きなどにして保管すると、粒子が凝縮しノズルの先端に詰まってしまう可能性があります。